リニモ:利用伸び悩み、万博後1/10 28億9000万円の赤字

うーん、やっぱりかぁ~(-_-;) というのが 率直な感想です。
 
桃花台線がもう赤字で廃線かというなかで、パビリオンの一部と言われ、
後のことも考え、車両数が少なくなっていましたが、
万博後の需要に?だったのも事実です。
 
造られてしまっているものなので、
バス利用をしていた大学への通学客、モリコロパーク(愛・地球博記念公園への客で
採算が取れる状況にして欲しいとしか言えないのが歯がゆい。。。
 
桃花台線の二の舞は避けてほしいものです!!!
 
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 ◇沿線地域活性化へ

 愛知万博長久手会場へのアクセスとして開業した磁気浮上式リニアモーターカー「リニモ」(東部丘陵線、長久手町の第三セクター「愛知高速交通」運営)の利用者が伸びず、苦戦が続いている。県によると、05年度決算は3億4000万円の赤字、閉幕後の06年度は28億9000万円(収支計画)に上る見通しだ。多額の赤字を抱え9月末で廃線になった新交通システム「桃花台線」(ピーチライナー、小牧市)も県出資の別の三セクが運営しており、関係者からは「二の舞いにならないか」と不安の声も聞かれる。【樋岡徹也】

 県や同社は、7月に会場跡地に一部開園した「愛・地球博記念公園」(愛称・モリコロパーク)の入場者や沿線の学生らに利用を呼びかけるほか、地域の市街地化などの活性化策を図り、運営を“軌道”に乗せようと躍起だ。

 県交通対策課によると、リニモは万博期間中、連日満員で1日当たり約10万6000人が利用したが、閉幕後(昨年10月~今年3月)は10分の1の約1万400人に激減した。総事業費は約1000億円で、うち橋脚などの建設費641億円を国、県などが負担、車両や軌道などの事業費356億円は同社が支出している。同社は当初、15年後に単年度黒字に転換させ、26年後に累積赤字の解消を目指していたが、そのために必要な1日約3万1500人の半分にも満たないのが現状。閉幕前後の昨年9月は9億円を超える運賃収入が、10月以降は月4000~8000万円にとどまり、大幅な計画修正を余儀なくされる見通しだ。

 だが、光明も少しは見え始めている。沿線には大学・高校が計15校あり、4万数千人の学生・生徒が在学。リニモ利用者の約半数は学生といい、新入生の入った影響で4~6月は月1万6000人台を推移した。県や同社は各学校にリニモの利用促進を呼びかけ、約半数の学校がリニモの駅から学校までスクールバスを運行するなど協力してくれるようになった。また、同社は、名古屋市営地下鉄「東山線」の駅とバスで結ぶ学校にも呼びかけ、今年4月からは長久手古戦場駅と愛知学院大、名古屋外大の間を1日約50便試験運行している。1日約500人の利用があるという。

 9月末で廃止になった「桃花台線」は、県や小牧市、民間が駅なども含め約313億円もの巨額を投じたが、多額の累積損失を抱えてしまった。

 こうした反省もあり、県は、沿線にある文化施設の入場券と組み合わせた企画乗車券の販売などを通して利用促進を図ったり、瀬戸市や長久手町などと「東部丘陵線連絡協議会」を設置、リニモによる沿線地域の活性化策も検討している。同町などと協力し長久手古戦場駅周辺約30ヘクタールの市街地化計画も進めている。

 県交通対策課は「リニモは地下鉄と愛知環状鉄道を結び、この地域には必要な路線と位置づけられてきた。万博のメーン会場が長久手に移ったため前倒しで完成させただけで、これからが本当のスタート。桃花台線は都市計画の見通しが甘かったが、リニモは名古屋に近い沿線西側で人口が増え市街地化が進んでいる。二の舞いにはならないと思う」と話しているのだが……。

 ◇利用促進策、モリコロパーク3月追加開園--集客力向上に期待

 モリコロパーク開園後、通勤・通学など定期券以外のリニモ利用者が6月の17万9000人から、7月22万6000人、8月20万5000人と増加したが、学生・生徒が夏休みに入ったため全体では6月の49万1000人に対し、7月46万人、8月は28万5000人と苦戦が続いた。しかし、リニモ利用促進の当面の策は、モリコロパークの集客力向上だ。

 7月15日に公園全体(約194ヘクタール)の13%に当たる約26ヘクタールが一部開園。万博期間中は1日平均11万人を超える入場者がいたものの、一部開園後は夏休み期間(8月31日まで)は約19万人で1日平均約4000人、9月1~17日は約5万人で平均約3000人にとどまっている。

 万博会期中、約128万人の応募に約14万人しか観覧できなかった人気館「サツキとメイの家」でさえ、1日当たりの制限入場者700人に対し、7月の応募は平均2580人(倍率3・69倍)、8月も1587人(同2・27倍)と人気は落ち着いている。家の全景を見渡せ、人気だった展望塔も客はまばらだ。

 来年3月には中心部約64ヘクタールが追加開園する。中核となる「イデアのひろば」については、テーマゾーンを万博の理念と成果を継承したシンボル空間と位置づけ、北側に市民参加・交流の拠点施設「地球市民交流センター」(仮称)を建設。自然の仕組みを活用した環境技術を集積し、環境配慮型のエネルギーシステムを取り入れる。

 県公園緑地課の川崎昭弘主幹は「万博の感動を再び味わえる空間にしないと入場者は増えない」と話す。数年後の全面オープン時、県は年間300万人超の入場者を目指している。

毎日新聞 2006年10月11日

〔写真1〕苦戦が続く「リニモ」。県や愛知高速交通はあの手この手の利用促進策を進め、赤字解消を目指す=愛知県長久手町で2006年10月3日、樋岡徹也写す

〔写真2〕一部開園したモリコロパークだが、南部分は整備工事の真っただ中。リニモの利用促進には、入場者増が欠かせない=愛知県長久手町で2006年10月3日、樋岡徹也写す

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